ため息を、味方につける。呼吸と、東洋医学の「気」のはなし

東洋医学

こんにちは。鍼灸師の菅野詩乃です。

 

「ため息をつくと、幸せが逃げるよ」

こんな話を聞いたことはありませんか?

 

東洋医学の目から見ると、

ため息は、とても良い養生です。

 

ため息は、体が自分自身を助けようとして、

けなげに起こしている反応なのです。

東洋医学は、ため息に名前をつけている

東洋医学には、

「善太息(ぜんたいそく)」という言葉があります。

 

ため息がよく出る状態を指す言葉で、

大切なサインのひとつとして受けとめられてきました。

 

ため息は、昔からきちんと名前を与えられ、

体の声として扱われてきたということです。

 

では、なぜため息は出るのでしょうか。

東洋医学では、大きく3つの理由があると考えます。

1.気の渋滞を、解消するため

わたしたちの体には、

「気」というエネルギーが流れています。

 

その気をのびのびと全身にめぐらせているのが、

「肝(かん)」のはたらきです。

 

ところが、ストレスが続いたり、

言いたいことを我慢する日が重なったりすると、

気は1か所で固まってしまいます。

 

これを「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といいます。

 

胸のあたりが詰まる。

脇のあたりが苦しい。

なんとなく、息が浅い。

 

そんなとき、体は無意識に大きく息を吐きます。

 

そのひと息で、渋滞していた気の流れを、

押し通しているのです。

 

ため息は、体が自分でおこなっている、

小さな交通整理なのですね。

2.縮こまった心を、のばすため

東洋医学には、

「思則気結(しそくきけつ)」という言葉があります。

思い悩むと、気が固く結ばれてしまう、

という意味です。

 

考えごとが頭から離れない日は、

心も体も、ぎゅっと縮こまっています。

 

胸のあたりが狭くなり、

呼吸がのびやかにできなくなる。

 

そんなときに大きく息を吐くことで、

縮こまった場所をストレッチのように

のびのびと伸ばす。

 

ため息は、心のこわばりをのばす

ストレッチのようなものなのです。

3.足りない力を、補うため

疲れがたまっているとき、

体そのもののエネルギーが不足していることがあります。

 

これを「気虚(ききょ)」といいます。

 

胸に集まって呼吸や声を支える気が足りなくなると、

呼吸はどうしても浅くなります。

 

そこで体は、無意識に大きく息を吸って吐き、

足りない分を補おうとするのです。

 

このため息は、

力が抜けて、弱々しいのが特徴です。

がんばりすぎている方に、よく見られます。

ため息を、整えに変える

では、ため息が出たとき、

どうすればいいのでしょう。

我慢しないこと。

出そうになったら、こらえずに、

そのまま吐いてしまいましょう。

 

そして、できればそのあと、

もう一度ゆっくり吸って、長く吐いてみてください。

 

ため息を、そのまま深呼吸につなげてしまうのです。

 

体がやろうとしていたことを、

意識で少し手伝ってあげるイメージです。

体を、動かすこと。

気の滞りは、じっとしているほど固まります。

 

肩をまわす。少し歩く。伸びをする。

 

筋肉を動かすことは、

そのまま気の流れをほどくことにつながります。

ため息が出たら、整っている合図

ため息が出たときは、こう思ってみてください。

 

「わたし、頑張っているんだな」

「今、気がすこし滞っているんだな」

「整えようとしているんだな」

 

それは、自分の状態に気づける、大切な瞬間です。

 

東洋医学には、

「形神統一(けいしんとういつ)」という考え方があります。

 

体と心は、切り離せないひとつのものだということ。

 

ため息という体の反応を、

否定せずに認めてあげると、

心のほうも自然とほどけていきます。

 

とはいえ、ため息が毎日続いていたり、

深呼吸をしてもすっきりしない日が長くつづくときは、

自分ひとりでほどくのが難しくなっているのかもしれません。

 

そんなときは、どうぞ人の手を借りてください。

私たちは、脈やお腹、背中に触れながら、

その滞りがどこから来ているのかを、

ていねいに読み解いていきます。

 

気の渋滞なのか、心の縮こまりなのか、

それとも力そのものが足りていないのか。

同じため息でも、

必要な「手当て」は人によってちがうからです。

 

千葉県茂原市で、

そんな時間をお届けできる場所を、今準備しています。

 

思いきり息を吐いて、また深く吸える。

そんな呼吸を、いっしょに取り戻していきましょう。


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